ブログをご覧の皆様、こんにちは。

本大会で大会責任者を務める溝端です。現役生にしては珍しく?運営が大好きで、強烈な熱意をもって大会責任者に立候補しました(大会後が危ぶまれる・・・)。

実は弟がこの春にオリエンティアになりました。本大会には来ないけれど、ブログ見てくれていたらいいな・・・

私は、大会責任者のお仕事で協賛品獲得、資料作成や他の役職者のお手伝いをしていただけでなく、弟から奪ったカメラで運営者の様子を常に撮影していました。 

みんなが大会運営に携わっているその一瞬一瞬を、残しておきたかったからです。

 OLK大会があるのは当たり前ではありません。ここ数年はコロナ前の規模での開催ができず、実際にOLK大会を運営側として経験した現役生はいません。手探りで、OBOGさんや直前で大会が中止となってしまった現4年生の43期さんの力も借りながら、「OLK大会を繋げたい」という思いのもと、前に進んできました。 

OLK大会は45回目になる、日本オリエンテーリング界でも非常に歴史のある大会です。今回3度の縮小開催や中止を経て復活を目指している中ですが、その中でも変わらない伝統、そして時代の流れによる新たな試みを、未来に繋ぐという意味でも残しておこうと思います。

 

変わったこと

・おいしいごはん

 調査宿が一軒家となり、温泉ではなくシャワーで済ませる人が増えたことで、食費が通常のOLK大会より大幅にあがりました。

 かつては一人50円とされていた時期もあったOLK大会ですが、せっかく来てもらう調査者にはちゃんとごはんを食べてもらいたい。腹が減っては調査は出来ぬ。そうした思いでQOLを上げる試みが取られました。

 野菜炒めが定番だった調査飯には、ガパオライスやオムハヤシ、キムチ鍋、タコライスなどが登場。料理が得意な会館担当のごはんは、いつも調査者の活力となっていました。

 

 

 

 

 

 

・スタート1分前枠に一女を置く?

 という伝統があったらしいのですが、定例戦でもスタートパートに女子がいなかったように、そうした伝統は時代錯誤だとされ姿を消しています。そもそもそれを考える場にも至りません。もちろんそういった伝統が姿を消すことに寂しさを覚える人もいるのかもしれません。しかし、男子はこう、女子はこう、という性別に基づく役割分担や、女子の声は元気が出るからスタートに置きたいみたいな考えは誰かにとって居心地の悪い場に繋がってしまう可能性があります。

 今後こうした“伝統”がどうなるかは以降の運営者に任せますが、意味のない伝統を保ち続けることは必ずしも正解と言えないのではないでしょうか。

 

・青空会場

 第42回大会時でもそうでしたが、今回の会場はテレインへのアクセスの特性から、古峯神社の青空会場となっています。OLKといえば小学校の体育館が会場、というイメージがある方も多いかもしれません。また、梅雨の時期に青空会場ということで心配な方も多いでしょう。しかし、「青空会場」ということに拘ってしまっていては、このテレインでの開催は難しく、また、「神社を会場にする」という初めての試みにも挑戦できなかったはずです。選択肢を広げるうえでも“伝統”から脱することは必要ですね。

 

・イベントディレクタ資格の取得

 2022年度から試験が始まったJOA公認のイベントディレクタ。イベントアドバイザーの下位に当たる資格ですが、試験を受けるにあたっては競技規則や地図表記などを学習する必要があります。運営委員会では大会責任者である私と、現4年生の計2人が認定されており、競技規則などの知識を元に運営を進めています。

 

変わらないもの

・人の手による調査

 調査の詳しい話はのちほど調査責任者からあるかと思いますが、今大会でもドローン測量やプロマッパーなどは活用せず、すべて人の足でテレイン内を歩き回って書くという、アナログな調査となりました。何回も何回も入ることでテレインへの理解が深まるだけでなく、新たな魅力に触れることができます。

 

 

・寝袋

 今回はOLKの調査では有名な「公民館」ではなく、42回大会時からの繋がりで地元の方に一軒家を借りて泊まりました。しかし、一軒家だろうが公民館だろうが、布団もベッドもないのは変わりません。畳ではなくフローリングの上に寝袋を敷いて寝るのは背中が痛い。私はヨガマットを持って行くことで快眠を実現しました。

 

・バンでの移動

 泊まり込みの荷物が大量にあるため、東京大学駒場キャンパスの部室からバンに荷物や資材を詰め込み調査に向かいます。テレインへの輸送や最寄駅からの輸送ももちろんバン。ヘッドレストはなく、後部座席は独立していないため乗り心地は最悪ですが、バーがあるのと、舗装されていない道を進むため、まるでアトラクションのよう。

 

そして、バンで事故を起こす人がいるのも変わりません。

 今回は脱輪、柱に追突、ガードレールに追突など、免許をとって1年も経たない勇敢なドライバーたちが事故を起こしています(私も脱輪しました)。警察にお世話になることもあるのでまったく笑える話ではありませんが、安全への意識を全体で高め、事故を起こしたことのある人もそのうちドライバーに復帰します。

 みんなが強くなれる場です。

 

・やっぱり調査が青春であること

 朝7時起き、1日7時間山に籠りっぱなし、トイレにも行けない、昼はおにぎり2つしか支給されない。お世辞にも調査環境が恵まれているといえませんが、調査はそれでもいつも賑やかでした。

 調査中に誕生日を迎えた人にはケーキとフラッグをプレゼントしてみんなで誕生日パーティーをし、夜まで作業があれば起きている者同士で奮闘し、EA田中さんとの距離を縮めようと日付を回ってもおしゃべりをし(田中さんごめんなさい)、協力して料理を作る。時には自然豊かな足尾町でランニングしたり、最寄りの通洞駅でインカレ選手権クラス出場者への応援動画を撮ったり、夜に肝試しに行ったり。

 

おはようからおやすみまで一緒にいる生活を、長い人は10日以上連続で続けます(私も夏と春で10日連泊しています)。

 もちろん劣悪な環境の中でストレスが溜まり、くだらないことで喧嘩もしました(ごめんなさい)。しかし、主張のぶつけ合いが毎回のようにありながらも、絶対に仲間割れが起こらない「奇跡の代」と言われる私たち44期は、それでも前に進みました。

 実家暮らしの人でさえ、家族よりも同期と一緒に過ごす時間の方が長いことも少なくないので、家族に言えない悩みでも同期なら言えるなんてことがあったりするのかもしれませんね。

いくつか書いてみましたが、それでも変わらないことの方が多いかもしれません。

それが、「45回も続いている」ということなのでしょう。

700人を迎える今大会、運営者一同最後まで全力でこの大会を作り上げます。

復活を懸けたOLK大会、ぜひ楽しんでいただければと思います!

 

(撮影:全部自分、Special thanks:足尾町、第45回東大OLK大会運営委員会)

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